みんな大好きハンバーガー。この30年で撤退、日本再上陸、売却もありブランドと運営会社がいろいろ変わってきています。経営者の雑学として、この群雄割拠を抑えておきたいところです。
ハンバーガーチェーンは洋風ファストフード、牛丼チェーンなどは和風ファストフードと分類されます。業界はコロナの影響で持ち帰りや宅配の需要が伸び、成長を続けてます。テレワークが進み、都心店より郊外店の売上が堅調です。
お隣韓国では、現在、マクドナルド、KFC、バーガーキングが同時に売却先を探しており、ロッテリアを抑えて1位のマムスターチも下半期に売りに出されそう。韓国国内ではこれ以上売上が上がりそうになく、株主は手放したい状況だ。
モスの櫻田さん、フレッシュネスの栗原さん、私と同じ日大のご出身。校内にモスバーガーが入っていたのを思い出します。ちなみにマクドナルドの藤田氏は東京大学です。
日本のハンバーガーの歴史
マクドナルド
設立の会社:日本マクドナルド株式会社(藤田商店)
途中の会社:平日半額キャンペーンの失敗の責任を取り、藤田氏が引退し
現在の会社:藤田商店との関係を清算し、米国マクドナルドの直轄下に。株主はマクドナルド・レストランズ・オブ・カナダ・リミティッド 25.25%
売上:3,177億円
営業利益:351億円
店舗数:2,909
日本の設立準備時の店名は英語発音の「マクダーナルズ」だったが、藤田田社長が日本語的に3+3の韻になるようにとマクドナルドに命名した。天才。
藤田氏にフランチャイズ権争いで敗れたダイエーの中内氏はドムドムハンバーガーを、横川氏はすかいらーくを創業した。
アメリカで1940年に誕生。日本の1号店は、1971年(昭和46年)7月20日に銀座三越店内に銀座店を開店。1号店の店長、岡田茂氏はのちの社長である。
ドムドムハンバーガー、ケンタッキーフライドチキンは、マクドナルド1号店が出店した前年の1970年に1号店を出店している。
モスバーガー

創業の会社:株式会社モス・フード・サービス
途中の会社:ダスキンと資本業務提携 4%
現在の会社:株式会社モスフードサービス
売上:784億円
営業利益:34億円
店舗数:1241
日興証券(現・SMBC日興証券)を辞め、皮革問屋のサラリーマンだった櫻田慧(さとし)氏が、1972年3月12日、東武東上線成増駅南口に2.87坪の1号店をオープン。日興証券ロスアンゼルス支店に在籍中に出会ったバンバーガーショップ、トミーズのコンセプトが忘れられず再び渡米してトミーズで修行。帰国後に創業した。
モスバーガーのMOSは、MはMountain(山のように気高く堂々と)OはOcean(海のように深く広い心で)SはSun(太陽のように燃え尽きることのない情熱を持って)という意味とされているが、Wikipedia によると、由来は櫻田慧がモス・フード・サービスの前に起こした会社Merchandising Organizing Systemの頭文字らしい。
モスは創業時からの自然を愛する価値観を守り、SDGsに貢献する。
マクドナルドとの差別化を考えていたモスバーガーは、高価格、高品質という高級路線を今日まで歩んできた。高いコストをかけてでも商品の味の向上を徹底させるという経営戦略は、「日本人は味にうるさいので、食べ物はうまくなければいけない」という創業者たちの理念に基づいている。(Wikipediaより)
私の大学の先輩、モスバーガーの創業者・櫻田慧氏の物語がPDFで読めます。おすすめです。
モスの心ができるまで ~モスバーガーの創業者・櫻田慧の物語~
最近の動きとしては、22年の1月にキッチンカー事業「MOS50(モスフィフティ)」を開始。1号車は「洋服の青山 大田久が原店」(東京・大田区)の駐車場で営業を開始した。

ケンタッキーフライドチキン

創業の会社:日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社(三菱商事)
途中の会社:
1972年 KFCコーポレーション(米国)がヒューブライン・インクに買収され、日本KFC(株)も三菱商事(株)とヒューブライン・インクとの合弁会社に
1982年 R・J・レイノルズ・インダストリーズ・インクがヒューブライン・インクを買収
1986年 ペプシコ・インクがR・J・Rナビスコ・インクからKFCコーポレーションを買収
1997年 ペプシコ・インクからフードサービス部門が分離しトライコン・グローバル・レストランツ・インク(現ヤム・ブランズ・インク)が設立
2007年 ヤム・ブランズ・インクが間接所有していた当社株式を、三菱商事(株)による株式の公開買付けにより売却し、三菱商事(株)が親会社に
2014年 日本KFCホールディングス(株)に商号変更
2018年 (株)ビー・ワイ・オーと資本・業務提携契約締結
現在の会社:日本KFCホールディングス株式会社
売上:1,535
営業利益:61
店舗数:1,130
1970年 7月、米国ケンタッキー・フライド・チキン・コーポレーションと三菱商事(株)との折半出資により資本金7,200万円をもって日本ケンタッキー・フライド・チキン(株)を設立。1972年 10月にカーネル・サンダースが初来日する。
人気の味には秘密があり、なかなか真似のできない味のようです。ホームページによると。
カーネルは、チキンの風味を生かす配合を求めて試行錯誤をくり返し、最初は10種類のハーブとスパイスを使っていました。もっとおいしいフライドチキンにしたいと最後に試した材料によって、カーネルが「人生で最高においしいフライドチキン」と思った「あの味」が完成したのです。
ハーブとスパイスの配合を知っているのは、世界でたったの3人。スパイスは複数の工場で数種類ずつ配合され、店舗に向けて出荷されます。各店舗でそれらをブレンドして初めて、11種類のハーブ&スパイスが完成。カーネルが生み出した秘伝の味は、こうして守られているのです。
1991年、正式名称を「ケンタッキーフライドチキン」から「KFC」へと変更。一説には名称変更の前年にケンタッキー州が「ケンタッキー」の商標登録を行ったためとされる。関東と東北では「ケンタ」、東海地方以西は「ケンチキ」と呼ぶ人が多いらしい。
意外とカーネル・サンダースが曲者で経営陣は翻弄されて大変だったようです。金なのか、理念なのか。やる気があるのか無いのか。全くわからない人物のようです。歴史だけ見ると老害ですね。そんな歴史は第三者的には面白いのでぜひ。
ロッテリア

創業の会社:株式会社ロッテリア
途中の会社:
2005年 元ユニクロ幹部2人が設立した企業再生会社リヴァンプと資本提携
2006年 株式会社ロッテリアホールディングスと株式会社ロッテリアに会社分割。リバンプの玉塚氏がCEOに就任。
現在の会社:株式会社ロッテリア
売上:157.8億円
営業利益:
純利益 :-4.5億
店舗数:324
ここ4年間で店舗数は徐々に減少しており、洋風ファーストフードブームに乗れていない。
1972年、ロッテグループのファーストフード事業として創業。1号店を1972年9月29日に高島屋日本橋店北別館1階にオープン。1997年のエビバーガーから差別化を意識。
1990年代以後は経営方針が定まらず、低価格路線の失敗や新メニューの極度の不振もあって経営が迷走した。日本国内店舗数は、2009年2月に524店とピークを迎えたが、現在、324店舗まで減少中である。
2006年11月にリヴァンプと共同で『バーガーキング・ジャパン』を設立し、2007年6月に1号店がオープンしている。下のバーガーキングの沿革を参照。
2020年1月現在、出店がないのは長野県・鳥取県・島根県・高知県・福井県。かつては47都道府県全てに出店していたことがあったらしい。
フレッシュネスバーガー

創業の会社:株式会社アメリカンクリエーション
途中の会社:
2006年 新光証券系列の投資ファンドが筆頭株主に
2007年 ユニマットグループ入り
2009年 ユニマットホールディングの傘下入り
2016年 11月、株式会社フレッシュネス(初代)が、外食事業(フレッシュネスバーガー事業)を会社分割し、新設した株式会社フレッシュネス(2代)に事業を継承
2016年 12月、コロワイドが買収した子会社、牛角のレインズインターナショナルが、株式会社フレッシュネス(2代)の全株式を取得
現在の会社:コロワイドの小会社のレインズインターナショナルの小会社がフレッシュネス
売上:単体は不明
営業利益:単体は不明
当期純利益:-1.45億円
店舗数:177
手作りの温もりを伝える店にするために、人の健康を第一に考えた新鮮な素材を使ったハンバーガーを提供したいと言う思いから英語で「新鮮」を意味する“FRESHNESS”を冠した「FRESHNESS BURGER」に。
1992年、ほっかほっか亭の創業者の一人である栗原氏が創業。新鮮な自然の食材を使い、バンズもパティもお店で手作りする、本来のハンバーガーを味わう事ができるお店が渋谷の富ヶ谷にオープン。1995年にフランチャイズ1号店がオープンし、2000年には100店舗を達成。
2020年に15店を増やしたが、2022年にかけて増えた分が減少。2022年4月の店舗数は4年前とほぼ同数、177店舗に戻した。
2016年10月14日、M&Aにより事業拡大を図ってきた外食産業大手のコロワイドは、買収した連結子会社で牛角、しゃぶしゃぶ温野菜などを運営するレインズインターナショナルにより、同年12月1日付で株式会社フレッシュネスを買収することを発表。
現在は、「牛角」と同じコロワイドグループのフレッシュネス社が運営。フレッシュネス単独の決算は公開資料がないので単体の売上は不明。
サブウェイ

創業の会社:日本サブウェイ株式会社(サントリーホールディングス)
途中の会社:
2016年 フランチャイズ契約の終了にて、サントリーは日本サブウェイ株式の65%をサブウェイのオランダ法人に売却。サブウェイ本社に直轄になる
2018年 サントリーが残りの株式を全て売却し、日本サブウェイの経営から完全に撤退
現在の会社:日本サブウェイ合同会社
売上:
営業利益:
当期純利益:-1,435万円
店舗数:170
SUBWAYという名称は、潜水艦型のサブマリンサンドイッチ(SUBMARINE SANDWICH)を客の好み(YOUR WAY)に作ることから命名された。
世界最大の飲食チェーンだが、日本では苦戦している。2019年に141店舗減し、翌2020年は14店戻したが、2021年からは再び店舗を減らしている。その結果、2022年4月時点の店舗数は、2018年4月と比較して46%減と半減。
私のサブウェイのイメージは、サラリーパーソンのお昼ごはんです。デートや時間つぶしの利用ではないので、テレワークの影響を大きく受けていると想定しています。
バーガーキング

創業の会社:西武商事(現在は西武プロパティーズ)
途中の会社:
1996年 日本たばこ産業(JT)が、アメリカ・バーガーキング社の持株会社である、イギリス企業グランド・メトロポリタン社と提携し、バーガーキングジャパン設立
レストラン森永から取得した森永LOVEの店舗を利用してバーガーキングの事業を展開
2001年 マクドナルド半額キャンペーンにやられ、JTとバーガーキングがもめて日本撤退
2006年 ロッテとリヴァンプが共同出資会社バーガーキング・ジャパンを設立
2007年 6月8日、再上陸1号店を新宿アイランドタワーに「新宿アイランドイッツ店」としてオープン
2010年 ロッテリア(韓国法人)が100円で買収(負債14億円)。アメリカのバーガーキングも投資会社3Gキャピタルに売却。
2017年 投資会社のアフィニティ・エクイティ・パートナーズがアメリカ・バーガーキング社とフランチャイズ契約を締結。ロッテリアも既存店を並行営業したが、2019年5月に全22店舗を閉店。バーガーキングを運営するバーガーキング・ジャパンホールディングスの全株式をアフィニティ・エクイティ・パートナーズに100億ウォンで売却
2017年 株式会社ビーケージャパンホールディングスを設立
現在の会社:株式会社ビーケージャパンホールディングス
売上:87億円
営業損失:8.8億円
店舗数:149
1993年、西武商事がアメリカ・バーガーキング社とフランチャイズ契約を結び、独自にチェーン展開を開始。1号店は入間市駅の駅ビルにオープン。
西武商事は米バーガーキング社との間で拡大戦略と事業展開について方針が合わず、後に既存店の営業は継続したまま、提携関係のみ解消した。
96年にJTが展開していたバーガーキングは、森永製菓の関連企業、レストラン森永のハンバーガーショップ森永LOVEの事業を譲り受けたものであり、「森永LOVE→バーガーキング→ロッテリア」と変遷した店舗もある。
複雑な歴史が始まりましたね。消費者はどうなってるのかほんとにわからなかった・・・波乱万丈すぎる。
私は海外8ヵ国で働きましたが、バーガーキングといえば、見知らぬ空港でのホッとする場というイメージ。日本での売上は堅調ですが、所有者が次々変わり従業員はほんとに大変だと思います。
買収した香港の投資ファンドが不採算店の閉店などで業績が回復させました。横ばいだった店舗数は2021年に23店舗、22年に33店舗増とサブウェイ、ロッテリアと真逆でV字回復しました。
結果、企業価値が向上し、今年1月、投資ファンドが日本・韓国のバーガーキングの売却を発表。ちなみに韓国は440店舗ある。
すみません、ここから下は時間を見て追記します。
ファーストキッチン/ウェンディーズ・ファーストキッチン

創業の会社:ファーストキッチン株式会社(サントリーホールディングス)
途中の会社:ウェンディーズジャパン株式会社が買収
現在の会社:
売上:
営業利益:
店舗数:66
サブウェイと同様、サントリーが1977年に設立。同年、東京・池袋東武百貨店地下1階の営団地下鉄丸ノ内線池袋駅付近にファーストキッチン1号店を開店した。
2015年3月に、ファーストキッチンはウェンディーズとのコラボレーションを発表。「ファーストキッチン・ウェンディーズ」として六本木店、上野浅草店がリニューアル。
その流れで翌年の2016年、サントリーホールディングスがウェンディーズの運営会社であるウェンディーズ・ジャパンへ全株式を売却した。また、サントリーホールディングスは、2018年にサブウェイの株式も売却し撤退している。
ウェンディーズ
創業の会社:株式会社ウェンコ・ジャパン(ダイエーグループの株式会社ドムドムを名称変更)
途中の会社:
2002年 株式会社日本ウェンディーズ(ゼンショーが取得し名称変更)
2009年 ゼンショーがウェンディーズのFC契約を終了。第一次はここで終了
2011年 ヒガ・インダストリーズがウェンディーズ・ジャパン合同会社を設立。再上陸する
2016年 ファーストキッチンをサントリーHDから買収。投資ファンドのロングリーチグループからの出資を受け、ヒガ・インダストリーズからロングリーチグループが筆頭株主に
現在の会社:ウェンディーズ・ジャパン株式会社(ロングリーチグループ)
売上:
営業利益:
店舗数:
クアアイナ

創業の会社:
途中の会社:
現在の会社:
売上:
営業利益:
店舗数:32
ドムドムハンバーガー

創業の会社:株式会社ドムドム(ダイエー)
途中の会社:
1980年 ウェンディーズを運営するため、名称を指定された株式会社ウェンコ・ジャパンに変更
1997年 ドムドム事業本部を株式会社ダイエーファーストフーズサービス(以下DFFS)へ営業譲渡。名称を株式会社オレンジフードコートへ変更
2017年 業績不振によりレンブラントホールディングが子会社のレンブラント・インベストメントと新生銀行傘下である新生企業投資と共同で、ドムドムハンバーガー事業を譲受。株式会社ドムドムフードサービスを設立
現在の会社:株式会社ドムドムフードサービス(株式会社レンブラント・インベストメント)
売上:
営業利益:
店舗数:27
ドゥーワップ
調査中
創業の会社:ダイニングイノベーション
途中の会社:
現在の会社:
売上:
営業利益:
店舗数:
トリキバーガー
調査中
創業の会社:鳥貴族
途中の会社:
現在の会社:
売上:
営業利益:
店舗数:
ラッキーチキン
調査中
創業の会社:ロイヤルホスト
途中の会社:
現在の会社:
売上:
営業利益:
店舗数:
ジューザバーガー
調査中
創業の会社:
途中の会社:
「築地銀だこ」のホットランドが提携
現在の会社:
売上:
営業利益:
店舗数:
ブルースターバーガー




調査中
創業の会社:株式会社ブルースターバーガージャパン(ダイニングイノベーション)
途中の会社:
現在の会社:2022年7月31日までに全店を閉店
売上:
営業利益:
店舗数:4