環境・社会・ガバナンスに配慮して投資先を選ぶ投資家が増えています。しかし、このように新たな視点が加わることで、これまでとは全く異なる用語が使われるようになり、戸惑う投資家もいるのではないでしょうか。
そこで、Wall Street Journal で紹介されていたESG、サステナブル、社会的責任、インパクト投資など、投資家にとって必要不可欠な用語を補足してお伝えします。
備忘録的にお使いください。
この記事は下記のブログを要約し、翻訳したものです。詳細は下記をご覧ください。4CEOの記事は公開後、約1ヶ月で無料会員登録が必要になります。下記または、右下のボタンから登録をお願いします。
Munk, Cheryl Winokur. “All The ESG Investing Terms, Explained – WSJ.” WSJ, www.wsj.com/articles/esg-investing-terms-explained-11651003824. Accessed 11 Oct. 2022.
#1 B Lab
企業が高い社会的・環境的要件を満たし、透明性が高く、法的な説明責任を果たしている場合にB Corpsとして認証する。企業は3年ごとに厳格な登録・再認証のプロセスが必要。
2022/10/11現在、世界に5513、うち日本は15の企業・団体が認定を受けている。

日本のB Corpの情報はこちらから。B Corp取得のコンサルティングを受けることが可能。下記のサービスを提供されている。
- ヒアリングを通じたアセスメント回答作成支援
- B Corp基準を満たす社内制度設計コンサルティング及びプロジェクトマネジメント
- 審査対応(英語)
- 社内向け教育資料作成

#2 カーボン・オフセット
二酸化炭素などの温室効果ガスを排出し、他の場所で相殺することで、企業が気候変動に関連した目標を達成するのを支援する。
環境庁のHP
#3 カーボン・フットプリント / 二酸化炭素排出量
個人、製品、企業のカーボンフットプリントは、温室効果ガスを測定する。
下記、2つの用法がある。
1.個人や団体、企業などが生活・活動していく上で排出される二酸化炭素などの温室効果ガスの出所を調べて把握すること。炭素の足跡。
2.1.を企業が自社の商品に表示する制度。別名カーボンラベリング(Carbon labeling)、二酸化炭素 (CO2) の可視化。
#4 カーボンニュートラル
企業は、事業活動から排出される温室効果ガスを長期的に相殺することで、カーボンニュートラルとなる。
環境庁のHP

#5 サーキュラー・エコノミー(循環型経済)
リサイクルを重視したサプライチェーンおよび消費者向け手法のことである。
環境省のHP
#6 気候変動に関する株主決議
より環境に配慮した方針と慣行の策定を求める株主提案。SECの委任状発行手続きの改訂により、活動家がこれらの決議を提案できるようになる可能性がある。
2021年5月、米石油大手のエクソンモービルの株主総会で、環境派が取締役3人を解雇し、推薦する取締を3人選任させるという波乱が起きた。エクソン株の0.02%を保有する物言う投資家が動いたが、少数株主からも支持を得た。
#7 地域開発投資
CDCやその他の組織による、低所得層の住む地域や人々を支援するための投資。手頃な価格の住宅、小規模企業、および雇用が典型的な投資対象である。
#8 コミュニティ開発投資
Conscious Capitalism(意識的資本主義)。利潤を追求する企業は倫理的であるべきだという考え。
#9 企業目的
企業の価値提案に社会的効果、文化、使命を含むという考え方。
筆者が提案してる北極星コンサルティングはESG、DXのベースとなる企業の存在価値、目的から文化を見える化します。
#10 脱炭素化
大気質や気温を改善するために、二酸化炭素の排出を削減すること。
#11 ダイベストメント(Divestment)
金融、倫理、政治的な理由で資産を売却すること。
#12 エネルギー貯蔵
需給ギャップを緩和するためにエネルギーを回収し、後で利用すること。
#13 EEOCのダイバーシティ・ディスクロージャー
従業員100人以上の民間企業は、10種類の職種について、異なる民族の男女を何人雇用しているかをEEOCに報告しなければならない。投資家は企業に対し、より多くの情報開示を要求している。
#14 グリーンボンド
気候変動や環境に関するプロジェクトに資金を提供するもの。
環境庁のHP
「企業や地方自治体等が、国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券をグリーンボンドと呼びます。」

#15 グリーンウォッシュ
企業や投資ファンドがESGの資格や環境に配慮していると偽って主張すること。
SECのGary Gensler委員長は、ファンドマネージャーがESG投資を特定するために使用する基準やデータを公表すべきかどうかを検討するようスタッフに指示した。
#16 ネガティブ・スクリーニング
不人気な活動や論争的な活動に従事している企業やセクターを回避する投資戦略。いわゆる罪の株には、風俗、タバコ、銃などがある。また、動物実験、軍事契約、原子力発電なども一般的に不適格とされる。
#17 ネット・ゼロ
温室効果ガスの排出量と除去量が等しい場合。カーボンニュートラルのように、すべての温室効果ガスを指す。
#18 PETプラスチック
ポリエステルの一種。環境保護主義者や産業界は、ガラスよりもPETを選ぶ。より丈夫で透明、軽量で、リサイクルも容易なのが理由。
#19 公益法人
公衆に利益をもたらす営利企業。このような企業の取締役会は、環境、社会、財務の各要素を評価しなければならない。
#20 ポジティブ・スクリーニング
特定の目的や倫理基準を満たす企業、産業、部門に投資するよう努める。
#21 再生可能エネルギー
風力や太陽光は、再生可能エネルギーの一例。
当ブログでもシリーズ化しています。

#22 スコープ1、2、3
温室効果ガスプロトコルによって定められた3種類の排出量で、排出量の定量化と管理のための基準を定めたもの。多くの企業は、
スコープ1(温室効果ガスの直接排出)と
スコープ2(購入エネルギーによる間接排出)の開示を義務付けている。
スコープ3(企業が直接管理しない製品に関連する温室効果ガス)は任意である。
#23 ストランデッドアセット(座礁資産)
気候変動などの環境条件によって価値を失った投資。
#24 持続可能な航空燃料
SAFは、化石燃料に代わるクリーンなジェット燃料です。SAFは、航空会社の環境汚染削減に貢献している。
#25 サステナビリティ・リンク・ボンド(連動債)
サステナビリティを目的としたESGフレンドリーな債券。
環境庁のHP
https://greenfinanceportal.env.go.jp/bond/relatedinfo/slbpprinciple.html
日本証券協会のサイト


#26 トリプルボトムライン
企業は、財務実績とともに、社会的および環境的影響を計算することにコミットする必要があるというビジネスコンセプト。
#27 ボランタリー・カーボンマーケット
個人投資家、企業、政府などが炭素の純排出量を削減するための方法。この市場は、当局が規制を課す強制的な炭素市場とともに機能する。